日々の生活や電子工作において、抵抗値の測定は必要不可欠な作業です。特に、回路設計や修理の場面では、小さな抵抗値、つまり「低抵抗」を正確に測る必要が出てきます。しかし、一般的なテスターでは、低抵抗の測定は意外と難しいもの。なぜなら、リード線の抵抗や接触抵抗の影響を受けやすいからです。今回は、低抵抗の測定に役立つ方法をわかりやすく解説します。
1. 4端子法(ケルビン測定法)
低抵抗測定の定番と言えるのが、4端子法です。これは、測定対象に電流を流すための2本の端子(電流端子)と、電圧を測定するための2本の端子(電圧端子)を使用する方法です。これにより、リード線や接触抵抗の影響を大幅に軽減できます。
- 原理: 電流端子から電流を流し、電圧端子で電圧を測定し、オームの法則(抵抗 = 電圧 / 電流)に基づいて抵抗値を計算します。
- 必要なもの: 4端子測定対応のデジタルマルチメーター(DMM)、測定対象物、4本のリード線。
- やり方: 4本のリード線を、測定対象の抵抗の両端に接続します。DMMで電流値と電圧値を測定し、抵抗値を計算します。
2. ドロップ電圧法
ドロップ電圧法は、比較的シンプルな方法です。これは、既知の電流を測定対象に流し、抵抗の両端の電圧降下を測定することで抵抗値を求める方法です。
- 原理: オームの法則を利用し、既知の電流と測定した電圧降下から抵抗値を計算します。
- 必要なもの: 電源、電流計、電圧計(またはDMM)、測定対象物、リード線、抵抗。
- やり方: 既知の抵抗と測定対象の抵抗を直列に接続し、回路に電流を流します。それぞれの抵抗の両端の電圧を測定し、抵抗値を計算します。
3. オームメーターのゼロ調整
一部のテスターには、抵抗測定時にリード線の抵抗を補正するためのゼロ調整機能が備わっています。
- 原理: リード線を接続し、ゼロ調整を行うことで、リード線の抵抗が相殺され、より正確な測定が可能になります。
- 必要なもの: テスター、測定対象物、リード線。
- やり方: テスターの抵抗測定レンジを選択し、リード線を短絡させます。テスターのゼロ調整機能を使って表示を「0」に合わせます。その後、測定対象にリード線を接続して抵抗値を測定します。
注意点・コツ
- 接触抵抗: リード線と測定対象の接触が悪いと、誤差が大きくなります。しっかりと接続し、接触不良を防ぎましょう。
- 環境: 温度変化は抵抗値に影響を与えます。高精度な測定が必要な場合は、温度変化の少ない環境で行いましょう。
- 測定器: 使用する測定器の精度も重要です。校正された測定器を使用し、定期的に校正を行うことをおすすめします。
- 安全: 電流を扱う際は、感電に注意し、安全な環境で作業してください。
まとめ
低抵抗の測定は、回路設計や電子工作において重要なスキルです。今回ご紹介した方法は、比較的簡単で実践しやすいものばかりです。状況に応じて適切な方法を選択し、正確な測定を行いましょう。これらの方法を習得することで、より精度の高い測定が可能になり、製作の幅が広がるはずです。